Line on Bass
こんにちは。
ベース講師の星野徹(@jazzbassisttoru)です。
この記事は、セッションでも人気の「枯葉」のコード進行のウォーキングベースラインの4ビートを全音符解説していくという記事と動画になります。
【対象】
・「枯葉」のベースラインを弾いてみたい方 ・ウォーキングベース始められたばかりの方 ・コードを見てぱっとベースラインが組み立てられない方
作成した譜面を1音符1音符説明していてとても長い記事になっているので、 ブックマークされるか、お時間ある際にじっくり読んでいただくことをおすすめします。
このページの目次
動画を作成しました。
今回は、この動画内で演奏した「枯葉」の進行上のベースラインの全音符解説となります。
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今回のベースラインは、
ゴースト・ノートやハイフレット使用といった あまり難しいことをしないシンプルな四分音符で、
かつ、開放弦から123フレット以内で作成
という、シンプルで初心者の方でも弾きやすいラインというコンセプトで作成致しました。
Aセクションから、1音符づつ解説していきます。
※コード進行はジャズ・スタンダード・バイブル(黒本)をほぼ参考にしておりますが、
アプローチに合わせて若干変化を加えている箇所もあります。
Aセクション8小節を2週 ↓ Bセクション ↓ Cセクション
という流れになります。
まずは、Aセクション(1−8)から使用音の解説を行っていきます。
Cm7のコード進行上で
1音目 C(Cm7のルート音) 2音目 D(Cm7の2度) 3音目 E♭(Cm7の短3度) 4音目 E(次の小節の第一音目、Fに向かう半音経過音)
という流れで組み立てました。
4音目、Eの音は、Cm7の構成音ではありません。
コードがマイナーコードなので、△3rdにあたるEの音を出すとメジャーな響きになってしまいますが、
次の小節の第一音目、F音に向かう流れを滑らかにする半音経過音として、”橋渡し”的な仕事をしています。
半音経過音はウォーキングベースでは必ず使用するアプローチです。ぜひ、意識的に使用できるようにすることを勧めます。
以下の動画では半音経過音の使い方についてのより詳しい解説をしています。重ねて参考になれば幸いです。
【100%使います】ウォーキングベースやるなら絶っっっ対!知っておきたい半音経過音 https://www.youtube.com/watch?v=dlFfdPBICts
F7のコード進行上で
1音目 F(F7のルート音) 2音目 E♭(F7の短7度) 3音目 D(F7の6度) 4音目 C(F7の5度)
ルート→短7度→6度→5度というウォーキングベースライン。
運指的にも弾きやすく、聴き手にも流れが滑らかな印象を与えます。
B♭△7のコード進行上で
1音目 B♭△7(B♭△7のルート音) 2音目 D(B♭△7の長3度) 3音目 F(B♭△7の5度) 4音目 E(次の小節の第一音目、E♭に向かう半音経過音)
という流れです。
ここでも4音目に半音経過音を使用しています。原理は1−2小節目の流れと同じです。
E♭△7のコード進行上で
1音目 E♭(E♭△7のルート音) 2音目 D(E♭△7の7度) 3音目 C(E♭△7の6度) 4音目 B♭(E♭△7の5度)
ここも、ルート→7度→6度→5度と、度数が順番に並んだライン。やはり弾き心地もよく、聴手にも流れが滑らかな印象を与えます。
Am7♭5のコード進行上で
1音目 A(Am7♭5のルート音) 2音目 B♭(Am7♭5の短2度) 3音目 C(Am7♭5の短3度) 4音目 E♭(Am7♭5の短5度)
Am7♭5はエーマイナーセブンスフラットファイブ(エーマイナーセブンスフラットフィフス)と読みます。
「5度をフラットさせる」という意味の記号なので、Amの5度、Eの音でなくE♭の音を使っています。
D7のコード進行上で
1音目 D(D7のルート音) 2音目 C(D7の短7度) 3音目 B♭(D7の6度) 4音目 F♯(D7の3度)
Gm6のコード進行上で
1音目 G(Gmのルート音) 2音目 B♭(Gmの短3度) 3音目 D(Gmの5度) 4音目 F(Gmの短7度)
Gmのコード進行上で
1音目 G(Gmのルート音) 2音目 F(Gmの短7度) 3音目 D(Gmの5度) 4音目 B♭(Gmの短3度)
尚、ここまで使用したポジションは、すべて開放弦から3フレット以内のフレット使用で組み立てました。
4ビートのウォーキングベースは、4分音符1押弦ごとに使う音が変わることが多いので、なるべくポジション移動が少ないように心がけています。
また、
各弦の1フレットは人差し指 各弦の2フレットは中指 各弦の3フレットは小指
というフォームで、ポジション移動が生じません。
こうした、移動の少なさがスムーズなベースラインの演奏、構築に繋がりますので、動き方の参考になれば幸いです。
続いて、Aセクション(9−16小節目)の解説になりますが、こちらの8小節は、前半のAセクション(1−8小節目)のベースラインと全く同じ音使いで構築しました。
そのため、細かな構築の仕組みについては省かせていただきます。
今回のAメロ2週目のように、「何回も同じようなパターンで弾いて問題ないのか」といったご質問をいただくことがありますが、
はじめのうちはこうしたアプローチでも全く問題ないです。
むしろ、初心者のうちに、無理やり毎回異なるパターンでベースラインを動かそうとすると、思考や右手、左手が追いつかなくなってしまい、タイムにピッキングが遅れるなど、リズムのズレに繋がってしまうことがあります。
本記事書籍の趣旨は、コードを見てパッとラインが組み立てるのが難しいという方に向け、とりあえず書いてあるものをまんま弾けるようにし、「ウォーキングベースラインてこんな感じなのか〜」と感覚を養っていただくことを趣旨としております。
なので、単調であれワンパターンであれ、しっかり一定のリズムを刻み、他の演奏者がプレイしやすいベースラインを奏でてあげることを心掛けてあげるといいと思います^^
Bセクション(17-24小節目)を解説していきます。
1音目 A(Am7♭5のルート音) 2音目 B♭(Am7♭5の2度) 3音目 C(Am7♭5の短3度) 4音目 E♭(Am7♭5の短5度)
1音目 D(D7のルート音) 2音目 C(D7の短7度) 3音目 B♭(D7の短6度) 4音目 F♯(D7の3度)
という流れで、Bセクションはじめの2小節は、Aセクション5〜6小節目と同じ動きにしました。
先述したように、
こうした同じようなコード進行が続いたとき、いろいろなベースラインの動きのパターンを使えたらかっこいいですが、
すぐにそうした対応ができない方は、前の小節で使ったパターンを使い回していくというベースラインの構築のやり方でも問題ないです。まずは繰り返し弾いて、スイングのリズムやジャズのアンサンブルに慣れましょう。
こうした、同じコードが2小節続くベースラインでどういった対応をしていいかわからない
というご質問は多いです。
ここでは、2小節にわたって続くGmのコードを「ひとまとまり」と考えます。
1音目 G(Gmのルート音) 2 音目 G(Gmのルート音) 3 音目 A(Gmの2度) 4 音目 A(Gmの2度) 5 音目 B♭(Gmの短3度) 6 音目 B♭(Gmの短3度) 7 音目 B(次の小節の第一音目、Cへの半音経過音) 8 音目 B(次の小節の第一音目、Cへの半音経過音)
といった流れで半音経過音が2つ続きますが、徐々にルートから半音づつ音程を上げながら上昇しているラインで、弾きやすさもあり、違和感は感じないと思います。
それでこの時、Bセクションの8小節目の第一音目でルート音弾いていません。
で、この時のイメージですが、Bセクション3小節目のGmのルート音Gから、5小節目のCm7のルート音、Cを見て、GからCまで滑らかに繋げてあげているイメージです。
ここの4小節は、Aセクション1−4小節目のベースラインと全く同じ音使いで作成しました。
5小節目 Cm7のコード進行上で
6小節目 F7のコード進行上で
7小節目 B♭△7のコード進行上で
1音目 B♭△7(B♭△7のルート音) 2音目 D(B♭△7の3度) 3音目 F(B♭△7の5) 4音目 E(次の小節第一音目の音、E♭に向かう半音経過音)
Cセクション(25-32小節目)を解説していきます。
Am7♭5のコードに対し
D7のコードに対し
Aセクション5−6小節目で作成したベースラインをそのままこちらでも使用しました。
Gm7 G♭7 F m7 E7
と進行してます。
こんなふうに、ひとつの小節内にコードがふたつある場合、アプローチをどうすればいいですか?
といったご質問をよくいただきます。
それで、ここはあえていろいろ動かずに、全部ルートで進行してます。
もちろんいろいろ動くこともできるのですが、
この楽曲は、全体的に同じようなコード進行がずっと続いている楽曲なので、「ロスト」といって、今自分が演奏している中でコードのどこにいるか見失ってしまうこともあります。
そんなとき、あえて動かずに、ここの半音感をアピールすることで、周りも、「ああ今Cセクションなのか」って気づきやすいんです。
絶対にウォーキングベースはいろいろ動かなきゃいけないということはありません。ルートだけだとダサいってことはなくて、こういうアプローチのやり方もあるんですね。
E♭7のコードに対し
1音目 A(E♭7の4度#) 2音目 B♭(E♭7の5度) 3音目 C(E♭7の6度) 4音目 E♭(E♭7のルートではあるが、ここでは次のコードのルートD7に向かう半音経過音扱い)
E♭7の第一音目は、4度#(4度シャープ)にあたるA音から構築した流れです。
このような構築にした理由は、このE♭7がAm7♭5の裏コードにあたるからという理由があります。
裏コードについての詳細な説明は省きますが、
Aセクション5−6小節目 Bセクション1−2小節目
のAm7♭5→D7の進行と同じ音使いにしています。
枯葉の29小節目は、
Am7♭5→D7 と進行することもありますし、今回のような E♭7→D7 と進行することもあります。
今回は、ジャズ・スタンダード・バイブル(黒本)を参照にしたため、参照書籍のコード進行で構築させていただきました。
Gmのコードに対し
1音目 G(Gmのルート音) 2音目 G(Gmのルート音・オクターブ上) 3音目 F(Gmの短7度) 4音目 E♭(Gmの短6度)
1音目 D(Gmの5度) 2音目 C(Gmの4度) 3音目 B♭(Gmの短3度) 4音目 B(はじめのAセクションCm7のルート音、Cに戻る半音経過音)
となっています。
じっくり譜面と向き合いながら、構築の仕組みをご理解いただければ幸いです。
ここまでが、今回作成した譜面の全音符解説になります。
また、既に公開中のブログ記事ではありますが、こうした予め書き起こされた譜面でなく、コードを見て即興で枯葉を演奏できるようにするための練習方法をブログと動画で解説しています。
こちらも重ねてご参照頂ければ幸いです。
即興でウォーキングベースラインを弾けるようになるベースラインの組み立て方(枯葉編)
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