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即興でウォーキングベースラインを弾けるようにするトレーニング・Fブルース編

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本記事の内容

本記事は、都内でウッドベース、エレキベース奏者、指導者として活動する星野徹(@jazzbassisttoru)が

Fブルースのベースラインを即興で弾けるようにするための練習方法を解説した記事で、とくに、

タブ譜とかで書いてあったら弾けるけど

コード譜となると全く弾けない

という方に、即興でウォーキングベースラインを弾けるようにするトレーニングのやりかたをまとめました。

すごい長い記事になっているので、

ブックマークされるか、お時間ある際にじっくり読んでいただくことをおすすめします。

このページの目次

2020年1月動画更新しました

本記事に関連した動画を2020年1月、更新しました。

長年のレッスンの中で培った僕のノウハウを全部注ぎきった為、すごい長く、30分くらいあるのですが、ありがたいことに今までアップしてきた動画の中でいちばん反応が良いです^_^

こちらもよろしければご参考ください(^^)

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ステップ1・まずはルートから!

まずは、コードを見てそのコードのルートを弾けることが大切です。

ルートに関してはこちらの記事で紹介していますが、わかる方は飛ばして下さい。
http://basslesson.toruhoshino.com/route/

実際に譜面にルートで合わせます。

2分音符(2音づつ)でゆっくりと合わせて

余裕ができてきたら4分音符(4音づつ)で合わせていきましょう。

練習をするときは、i-Real-Proを使うと便利です。
http://basslesson.toruhoshino.com/i-real-pro/

ステップ2・オクターブでルートを弾く

ルートだけ演奏する場合も、ポジションを別から考えると、ベースラインの幅が広がります。

この時、1小節目のF7のコード内では4弦1フレのFの音

2小節目のB♭7のコード内では3弦1フレのB♭の音を弾いていますが、

Fの音は、ローフレットだけだとこことここにルートがあります。

B♭の音は、こことここにルートがあります。

Am7だったら、4弦5フレ、3弦開放、1弦2フレも使えます。

ルートだけだとちょっとつまんなくない?って思われたら、別のポジションからのルートアプローチを考えてみましょう。

少しベースラインの幅が広がるかも知れません。

ルートのオクターブを変えてみよう

こんな感じでやってみました。弾いているのは全部ルートですが、オクターブを変えてみただけでも印象がちょっと変わります。

もちろんこれだけではまだジャズっぽさは少ないので、徐々にアプローチの幅を増やしていきます。

 

ステップ3・5度を入れる

ルートのみ、ルートとオクターブ上(下)でベースラインが弾けるようになったら5度を入れてみましょう。

こんな感じにしました。

ルートに1音加えただけですが、動きが増した感じがしませんか。

5度についての理解とポジション

ルートがここだったら

青い位置が5度です。

ここだったらここ

位置関係は覚えやすいです。

開放弦だと↑こんなかんじでちょっとだけ複雑ですが。

とりあえず、なんとなくベースラインを動かしてみたいとき、5度は無難にハマる事が多いです。

ステップ4・ルート+3度

こんな感じになります。

5度の音源とはまたちょっと違った印象ですよね。

ここがコードのルートに対しての3度です。

以下のように、ルートのオクターブの位置を変えたり(譜例1)4分音符の3度を置く位置を変えたり(譜例2)、それだけで印象は変わってきます。

・譜例1

・譜例2

コードの表情を伝える、3度

●△7、●7書いてあれば3度はここ(メジャー3度)

●m7、●m7♭5、●dimとか書いてあったら、3度はここです。(マイナー3度)

ふたつの音をいっしょに弾いてみると、印象が違いますね。

5度の場合は、メジャーマイナー関係なくルートからこの位置になるのですが、

3度は上記のように変わります。

一般的に、メジャー3度は明るい感じ、マイナー3度は暗い感じといわれており、コードの表情を伝える音という解釈です。

ウォーキングベースラインを組み立てるうえでも、メジャー3度とマイナー3度は自由にコントロールできるようにしておきいです。

3度について更に詳しく書いてみました。よかったら参考にされてみてください。

ステップ5・ルート+3度+5度

こんな感じになります。

ここまでの練習のやり方・1

この譜面のとおりでなくていいので、i-Real-Proなどを使って、一定のテンポでルートと3度5度を入れたベースラインを弾けるようにしましょう。

また、3度や5度は、上の3度、下の3度、上の5度、下の5度があります。

いろいろ組み合わせてみて、どう弾いたらスムーズにベースラインが流れる感じになるか、弾きやすいか、かっこいい音づかいになるか試しましょう。

例1・上の3度と上の5度組み合わせ

例2・下の3度と下の5度組み合わせ

例3・1小節内にコードが2つあるときは無理していろいろ使わず、運指のし易い動きを選んだ例

ゆっくりなテンポで構いませんので、いろいろな音づかいを試してみましょう。

伴奏を作りました。(4カウントイン)

ゆっくりなテンポで構いませんので、ルートとオクターブ、ルートと5度やルートと3度を入れる練習をしてみましょう。

テンポ60

テンポ80

練習するときの心がけ

このテの練習は、完コピのようにゴールのない練習です。

それゆえ、ちょっと億劫になりやすいです。

音を確かめる時はメトロノームを使わないで確かめ、少し慣れてきたと思ったらメトロノームや音源に合わせる。

ポジションを覚える練習でなく、あくまで即興で合わせる練習なので、ルートの場所、3度の場所、5度の場所を常に頭でイメージしながら練習すると効果的です。

で、結構集中力使う練習です。ちゃんとやるとすぐ疲れちゃいますので、疲れたら切り上げ。毎日少しづつ続けることが大切です。

 

 

ステップ6・ルート+経過音

こんな感じにしました。「P」って書いてあるところがコードトーンです。「パッシング」って意味です。

経過音とは?

ちょっと3度と5度はお休みにして、経過音を使ってみましょう。

経過音がわかる人は読み飛ばして頂いて結構です。

基本は、四分音符の4ビートで演奏するとき、特定の小節の最後の音を、次の小節のルートに対して半音上か下に位置させることで、ベースラインの滑らかさを出す奏法です。

いろんなジャンルの音楽で使われていますが、ジャズ系の音楽ではかなり使われてます。

経過音はコードトーンではないこともある

経過音はその小節のコードのスケールに含まれる音とか、コードトーンではないこともあります。あくまで、“ツナギ”のような役目です。

例えばしっかりコードトーンを使ってこんなふうに進行するよりも


こんなふうに進行するほうが、滑らかな感じがしませんか。


経過音については以下で詳しく説明しました。

 

ステップ7・ルート+3度+5度+経過音から構成されるウォーキングベースライン

こんな感じで作りました。だいぶ、ジャズっぽい感じになったと思います。

※経過音は「P」で表記してあります。

 

ステップ8・より滑らかにしたウォーキングベースライン

前回のベースラインをもとに、より滑らかなベースラインを作成しました。

 

より滑らかにしたベースラインの秘訣

ルート+3度+5度のコードトーンに、7度のコードトーンも加えたこと

更に、運指のし易さに応じて、2度、4度、6度などコードのスケールの音も入れることでより視野を広くしたこと

この二つを意識しました。

以下でも詳しく説明しています。

元パンクロッカーでも弾ける!超かんたんウォ...
 
コードトーンに2度、4度、6度を入れたベースライン
http://basslesson.toruhoshino.com/246/
前回、コードトーンと経過音だけで作成した「フライミートウザムーン」などで使えるベースラインを作成しましたが、必ずしもウォーキングベースラインは1度、3度、5度、7度で作らなければいけないということはありません。2度や4度、6度などの音も混ぜてることで、よ...

コードスケールの音

ルート+3度+5度+7度をコードトーンといいますが、

スケールで考えるとより視野が広がります。

例えばスケールで考えると、よく出てくるF7では以下

B♭では以下のポジションがブルースでは使いやすいです。

※曲調やテンポによって、ここの赤点が書いていないポジションも使えることがありますが、ここではそういう説明は省きます。

ここまでの練習のやり方・2

コードトーンを軸に、運指のし易さを考えながらスケールの音を絡め、ルートの位置をいろいろ変えたりしながら進行を確認しましょう。

譜例では、1、2小節目を4弦1フレからスタートした例を以下のように進行していますが

1、2小節目を2弦3フレからスタートした例です。

譜例では、9、10小節目を1弦解放からスタートした例を以下のように進行していますが

9、10小節目を4弦3フレからスタートした例です。

この練習では指に覚え込ませるこが目的ではなく、あくまで即興で弾けるように、次の音をイメージすることが大切です。

練習では、いくらでも間違えていいので、集中できるときに、1音1音の音名を思い浮かべながら練習しましょう。

 

ステップ9・いろいろなリズムを入れたウォーキングベースライン

ずっと同じ感じの四分音符ではなくなるので、三連や八分がいいアクセントになっている感じです。

三連を使ったアクセントの例

八分を使ったアクセントの例

タイを使ったアクセントの例

こちらでも詳しく説明しています。

ここまでの練習のやり方・3

譜例のとおりでなくていいので、意図的にアクセントを入れる練習をしましょう。

三連を使ったアクセント練習・例

八分を使ったアクセント練習・例

タイを使ったアクセント練習・例

※これはちょっと難しいですね^^;

あまり使いすぎるのもしつこいかもしれませんが、練習して仕込んでおかないと、即興演奏で目掛けた位置に八分や三連を入れられないので、意図的に入れられるように、遅いテンポから練習しましょう。

テンポ70の伴奏です。練習用に使ってみてください。

仕込みと実際の演奏におけるアクセントに対しての考え方

あくまでアクセントはアクセントとして仕込んではおきますが、実際の演奏では譜例のように使いすぎてはいないです。

どのくらいの割合でアクセントをつけるべきかという決まりとかはないですが、一定の4分音符がずーっと続いた中で、ここぞ!ってときにバッシっとアクセントを決められたら、かっこいいベースラインだと思います。

以上、ちょっと長くなりましたがお付き合い頂きありがとうございました。

動画もご参照下さい

文字で読むのはめんどくせー!って方、こちらもよろしければご参考ください(^^)

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